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العنوان
الأمثال الشعبية اليابانية والعربية :
المؤلف
احمد، آية وائل عبد الفتاح محمد.
هيئة الاعداد
باحث / آية وائل عبد الفتاح محمد احمد
مشرف / محمد رجب محمد الوزير
مشرف / وليد فاروق إبراهيم عبد العزيز
مناقش / عصام رياض حمزة
تاريخ النشر
2014.
عدد الصفحات
213 ص. :
اللغة
اليابانية
الدرجة
الدكتوراه
التخصص
اللغة واللسانيات
تاريخ الإجازة
1/1/2013
مكان الإجازة
جامعة عين شمس - كلية الألسن - اللغة اليابانية
الفهرس
Only 14 pages are availabe for public view

Abstract

本論は日本語とアラビア語(エジプト口語を中心に)のことわざの
意味論的分析である。従って、本論には二つの大きな軸が存在する。
それはことわざと意味論である。意味論的分析の方法は多数あるが、
本論では特に意味の変化に注目する。
ことわざは多種多様である。そのため、本論ではとくに、動物の語
彙を含むことわざを分析対象とする。日本語のことわざは1500 項目
の『岩波ことわざ辞典』(2001)と2287 項目の『明鏡ことわざ成句
使い方辞典』(2007)から、エジプトのことわざはことわざ研究の基
本書とされているアフマド・タイムールの『الأ ثِبي ا ؼٌب ١ِخ 』(2007 版)か
ら収雄した。これら動物の語を含むことわざのなかから、日本語のこ
とわざ181 項目、アラビア語のことわざ185 項目を取り上げる。
ことわざを選んだ理由は、まずことわざは言語の一部であり、そし
てそれ自体が独立した文脈であることにある。つまり、ことわざは新
聞記事、文学作品、会話などによく登場するが、その文脈の中になく
ても意味をなす構造である。そのため、ことわざの表現上の意味(表
の意味)と実際に伝える意味(裏の意味)の対照を通じて、表現上の
語彙に起こった意味の変化やその比喩性を研究できるのである。また、
ことわざは文化の反映であり、その文化の理解のために欠かせない手
段である。よって、ことわざの分析を通じて、特定の文化における比
喩の基盤となる概念メタファーやイメージスキーマなどの原因をはっ
きりさせることが出来る。本論の目的はことわざにおける意味の変化
や比喩性を明らかし、日本語とエジプトのことわざの共通点と相違点
を明らかにすることにある。
本論は全三章から成り立つ。第一章では、ことわざと意味の変化を
取り上げる。第二章では、意味の変化の基盤にある日本語とアラビア
語のレトリック技法の考察と対照をおこなう。第三章は、ことわざに
おける意味の変化と比喩性を考察し、日本語のことわざとエジプトの
ことわざの共通点と相違点を明らかにする。
なお、日本語とアラビア語の両言語には、様々な種類の定型句が存
在する。第一章では、ことわざとそれに類似する定型句を定義や特徴
に基づいて区別する。日本語にはことわざ、慣用句、金言、格言、名
言など様々な類似定型句がある。同様にアラビア語にもマサル・ヘク
マ、カウル・サーエルなどがある。それぞれの定型句の違いは第一章
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の第一節で説明し、本論で扱う範囲の「ことわざ」との違いを明らか
にする。
第一章の第二節では、本論の目的とする意味の変化を取り上げる。
まず意味論の視点による意味の変化の理論を紹介する。次に認知意味
論の視点による意味の変化の理論を紹介する。認知意味論からの視点
がなぜ必要かといえば、ことわざにおける意味の変化は概念的なもの
が多いため、そのような変化は認知意味論の概念メタファーやイメー
ジスキーマの理論を通じて分析しやすくなるからである。
以上、第一章では意味の変化の为な原因には、隠喩・換喩・提喩・
概念隠喩・換喩・提喩とイメージスキーマがあることを明らかにする。
これをうけて、第二章では、日本語とアラビア語におけるそれぞれの
レトリック技法を取り上げ、比較対照を行う。まず第一節では意味の
変化の基盤としてのレトリック技法を、第二節ではアラビア語の技法
を整理する。第三節では日本語とアラビア語のレトリック技法を対照
し、共通点と相違点を明らかにする。
つづいて第三章では、ことわざにおける意味の変化と比喩性を考察
する。第一節では日本語のことわざを、第二節ではエジプトのことわ
ざを取り上げる。第三節では日本とエジプトのことわざの共通点と相
違点を明らかにする。
第一節では日本語のことわざを、比喩を含まないことわざ、部分比
喩のことわざ、全体が比喩のことわざに分類する。このうち部分比喩
のことわざを、直喩型、隠喩型、換喩型に分け、それぞれの意味の変
化を考察する。また、全体が比喩のことわざを、イメージスキーマに
基づく把握による意味の変化 、動物の性質に基づく類似性による意
味の変化、文化的な比喩 (意味の変化)に分類して考察する。
第二節ではエジプトのことわざを、比喩を含まないことわざ、部分
比喩のことわざ、全体が比喩のことわざに分類する。このうち部分比
喩のことわざを、直喩型、隠喩型、換喩型に分け、それぞれの意味の
変化を考察する。また、全体が比喩のことわざを、イメージスキーマ
に基づく把握による意味の変化、動物の性質に基づく類似性による意
味の変化、文化的な比喩(意味の変化)に分類して考察する。
第三節では第一節と第二節における分析で得た結果に基づき、日本
とエジプトのことわざの共通点と相違点を明らかにする。まず、第一
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節と第二節で得た結果を統計的に整理する。次にことわざの分析から
得られる意味の変化のパターンを明らかにする。さらに、ことわざに
見られる比喩の普遍性を指摘する。
最後に本論のまとめと成果を結論で述べる